
「費用がどのくらいかかるのかわからない」「契約前に相場を知っておきたい」というお悩みはありませんか?費用については法律事務所によって異なり、どのくらいの費用を見込めばいいのか、不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
そこで、この記事では、「個人向け顧問弁護士の月額費用の目安」や「月額が変動する理由」を詳しく解説します。また、顧問弁護士を月額で契約するメリットやデメリット、選ぶポイントなどにも触れるため、ぜひ参考にしてください。
法律事務所Sでは、個人でのご相談も承っております。顧問弁護士をお探しの方は、月額費用の相談を含めてお気軽にご相談ください。
個人向け顧問弁護士の月額費用の目安

結論から言うと、個人向け顧問弁護士の月額費用の目安は2〜4万円です。相談時間としては、月に3時間程度を目安とし、さらに長時間の相談時間が見込まれる場合にはより費用も高くなります。
以下は「株式会社LegalOn Technologies」が従業員10〜1,000人未満の企業を対象に実施したアンケート結果です。
月額料金 | 割合 |
---|---|
2万円以下 | 4% |
2万円〜4万円 | 15% |
5万円〜7万円 | 32% |
8万円〜10万円 | 33% |
11万円〜14万円 | 2% |
15万円以上 | 14% |
参考・出典:2023年最新版 顧問弁護士活用の実態レポート|LegalForce
企業向けのアンケートであることを踏まえ、5〜7万円の月額費用は中小企業で選ばれやすい価格帯と考えると、個人向けの場合は2〜4万円がボリュームゾーンです。
実際に、日本弁護士連合会が行った調査によると、月額費用の平均額は4万3,017円となっています。
参考・出典:弁護士報酬額について|日本弁護士連合会
個人向け顧問弁護士に月額で対応してもらえる内容例

個人向け顧問弁護士に月額で対応してもらえる内容は法律事務所ごとに異なりますが、主な内容は法律相談です。
同調査では全体の約34.5%の弁護士が、事前の調査を行わずに即座に回答可能な範囲のみをサポートし、より複雑な問題や詳細なリサーチが必要なケースでは、追加の費用が発生するとされています。
契約前には顧問契約書をしっかりと読み、どのようなサポートが含まれているのか、どの範囲までが月額料金に含まれているのかを明確にすることが、後のトラブルを避けるためにも必須です。
個人向け顧問弁護士の月額が変動する4つの理由

ここからは、個人向け顧問弁護士の月額が変動する主な理由となる以下の4つを紹介します。
- サービスの幅が異なる
- 裁判は別途で費用がかかる
- 事案が大きく月額の範囲を超える
- 特殊なケースでは追加費用がかかる
サービスの幅が異なる
顧問弁護士の月額費用が変動する大きな理由は、提供するサービスの幅が異なるからです。顧問弁護士のサービス内容としては次のようなものが一般的です。
- 相談のみ
- 契約書のリーガルチェック
- 相談しながらの対処
- 密に相談できる
- 特定の分野に精通している
- 外国語に対応できる
上記のようなサービスの中で、どのような内容を提供しているかによって、費用も異なります。また、珍しい契約内容の場合だと、1親等(親・子供)までカバーするなどの特別なサービスを提供することもあります。
例外もありますが、単純にカバーできる範囲が広くなるほど、費用も総じて高くなりやすいと考えてください。
裁判は別途で費用がかかる
裁判に至った場合、顧問弁護士の月額料金とは異なる追加費用が発生することも理由の1つです。通常、顧問契約には裁判は含まれず、依頼した場合には着手金、報酬額金、実費の3つを支払う必要があります。
費用の種類 | 内容 |
---|---|
着手金 | 着手時に支払う費用 |
報酬額金 | 裁判終了後に支払う費用。回収金額に応じた%が基本 |
実費 | 印紙代や郵送などにかかる費用 |
それぞれの費用は、裁判の進行や結果により変動するほか、法律事務所によっても異なります。あらかじめ確認しておき、どの程度になるかの予想を立てておくと良いでしょう。
相談回数・時間制限がある
個人向けの顧問弁護士の月額費用とは別に、相談回数や時間制限が存在し、結果として追加費用が発生することもあります。
発生した法的トラブルや相談内容によって、月額の顧問契約書で定められた要件(例えば3時間など)を超えた場合が該当します。ただ、勝手に弁護士側が追加するものではなく、多くは事前に説明があるか、顧問契約書に記されているものです。
特殊なケースでは追加費用がかかる
個人向けの顧問弁護士の費用においては、特定のケースで追加費用も発生します。例えば、所定の手数料や調査費用などが別途必要となった、または顧問契約に含まれない依頼であったなどです。
他にも、裁判所への申立て料や証拠調査費用などを含む場合も少なくありません。ただ、追加費用は事前に顧問弁護士から説明を受け、了承した上で発生するものです。また、顧問弁護士の選び方や利用の仕方によっては、追加費用を最小限に抑えることもできるでしょう。
法律事務所Sでは、個人でのご相談も承っております。顧問弁護士をお探しの方は、月額費用の相談を含めてお気軽にご相談ください。
月額の個人向け顧問弁護士を契約する3つのメリット

月額の個人向け顧問弁護士を契約するメリットには、以下の3つが挙げられます。
- 困ったときにすぐ相談できる
- 法務部門を設立するよりやすい
- HPやブログに掲載できる
困ったときにすぐ相談できる
月額制の顧問弁護士を契約していれば、法的なトラブルが発生した際にすぐに相談が可能です。そのため、早期解決が期待でき、泣き寝入りをする必要もなくなります。
例えば、ネット上の誹謗中傷、刑事事件、労働問題、近隣トラブル、金銭トラブル、交通事故、不動産賃貸問題など、様々な問題を解決できます。また、顧問契約を結んでいることで、他の依頼人よりも優先的に対応してもらえるという点もメリットです。
法務部門を設立するより安い
月額制の顧問弁護士を契約すれば、コストや時間をかけずに法務部門を設置できます。通常、企業が法務部門を設立する場合、人材の採用から育成までにかかるコストは決して少なくありません。
例えば、厚生労働省のjob tagでの平均月額賃金は20.5万円であり、1名だけだとしても顧問弁護士の費用を超えてしまいます。加えて、その設立には社内での連携や教育を踏まえた相応の期間も必要です。
このことを踏まえ、一定の金額で法的な問題に対する対応力を強化できるのが顧問弁護士の強みと言えます。
参考:企業法務担当 – 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))
HPやブログに掲載できる
最後に、月額制の顧問弁護士を契約すれば、その事実を自社のHPやブログに掲載できます。そのため、法務体制を構築していることを外部に伝え、自社の信頼性を向上できます。
また、顧問弁護士がいることでサービスの利用者(ユーザー)の安心感を高めることもでき、ビジネスの安定性を図ることまで可能です。さらに、顧問弁護士は代理人となって交渉を行うことや、コンプライアンスの相談まで可能なため、間接的にマーケティングの強化にもつながります。
月額で個人向け顧問弁護士を契約するデメリット

月額制の顧問弁護士契約では、利用しない場合であっても費用がかかります。もちろん、一部の法律事務所では、月額の弁護士費用を来月に繰り越せるといったサービスも提供しています。
しかし、その多くは月額費用が固定で、利用しないと損をしてしまうでしょう。
だからと言って契約しない場合、単発依頼の方が高くなるケースもあります。例えば、契約書のリーガルチェックが1回5万円とし、顧問契約であれば1通無料となるなど、サービス内容によっては月額制の方がお得になるケースも多いからです。
また、タイムチャージ制で時間に応じた相談費用を払った結果として、月額制より高くなることも少なくありません。そのため、契約前には自身の利用状況を見極め、定期的に利用するために必要なサービス内容を確認することが重要です。
個人向けの安い顧問弁護士への依頼はあり?なし?

個人向けの顧問弁護士への依頼について、その費用が安いからといって選ぶべきか否か、という問いに対する答えは一概にはありません。なぜなら、顧問弁護士の選択は、月額料金だけで決めるものではないからです。
どの法律事務所においても、専門分野、経験、顧問契約におけるサービス内容はそれぞれ異なります。また、高額だからと言っても適切であるとも限らないのもまた事実です。
顧問弁護士を選ぶ際の基準としては、その弁護士がどのような専門分野を持っているか、どの程度の経験を積んでいるか、そして顧問契約におけるサービス内容は何か、といった点が重要となります。
依頼すべき個人・事業主とは?
下記に当てはまる場合、顧問弁護士をつけることをおすすめします。
- 社員を雇っている
- 契約書のやり取りが多い
- 法規制の厳しい業種に従事している
まず、社員を雇っている方です。
この場合は、労務やハラスメント、解雇など、様々な法的なトラブルの発生が多いです。また、就業規則や雇用契約書なども作成しなければならないことを踏まえて考慮しましょう。
次に、契約書のやり取りが多い方です。
定型的な取引であれば、顧問料の範囲内で契約書のひな形作成といったサポートを受けられます。必要に応じて、適切な契約書の作成やチェックまで受けられるのも利点です。
最後に、法規制の厳しい業種に従事している方です。
この際、法律が変わるごとに企業活動を見直さなければいけません。例えば、金融業界や医薬品、不動産、IT業界などです。IT業界であれば、以下の法律にも留意が必要です。
- 不正アクセス禁止法
- プロバイダ責任制限法
- 個人情報保護法
- 著作権法
その他を含めたリスクを回避するために、上記のような法規制の厳しい業種は顧問弁護士をつけて、常に相談できる環境を作っておくと良いでしょう。
個人向けの顧問弁護士を選ぶ3つのポイント

個人向けの顧問弁護士を選ぶ3つのポイントは、以下の3つです。
- 領域・業界に精通しているか
- 連絡は取りやすいか
- 内容は適切か
領域・業界に精通しているか
顧問弁護士を選ぶ際、その弁護士が特定の領域や業界に精通しているかどうかが非常に大切です。例えば、相続問題や民事訴訟など、依頼したい内容に特化した専門知識を持つ弁護士を選ぶことで、より的確なアドバイスやサポートを受けることができます。
また、自らが営む業種に関する法的な問題にも精通しているかどうかも確認することで、業界特有の細かい問題にも対応してもらえるでしょう。
連絡は取りやすいか
次に、顧問弁護士との連絡が取りやすいかどうかもポイントです。連絡手段や時間帯に限らず、最近ではLINEでも相談できるようになっている弁護士もいます。
深夜や早朝に相談をしたい場合、24時間対応している弁護士を選ぶと良いでしょう。また、連絡手段が多様であればあるほど、自分のライフスタイルに合わせて連絡を取ることができます。
内容は適切か
最後に、顧問弁護士の提供するサポートの内容が適切かどうかも慎重に検討することが求められます。サポート範囲が狭すぎたり、依頼したい内容がカバーされていなかったりする場合、その顧問契約は意味をなさなくなってしまいます。
サービス内容に関する不明な点は事前にしっかりと確認し、必要に応じて丁寧な説明を受けられるかどうかも確かめるべきです。適切なサポートが提供されることで、安心して顧問弁護士に依頼できるでしょう。
もし、どこに依頼するか迷ってしまったということでしたら、法律事務所Sへお気軽にお問い合わせください。サービス内容や費用を無料のお見積もりから適切にご提案いたします。
個人向け顧問弁護士と月額に関するFAQ
最後に、個人向け顧問弁護士と月額に関する以下の質問へ回答します。
- そもそも顧問弁護士とは?
- 顧問弁護士の費用は経費になる?
- 弁護士相談料の相場は1時間いくらですか?
そもそも顧問弁護士とは?
顧問弁護士とは、会社や個人などの顧問として、契約に基づいた継続的なサポートを提供する弁護士のことです。主に、契約書のチェックや法律相談、訴訟代理など、幅広い法律業務に対応しています。
これにより、法律問題が発生した際にも迅速に対応することが可能となり、法的リスクを最小限に抑えることもできます。
顧問弁護士の費用は経費になる?
顧問弁護士の費用は、経費として処理できます。具体的には、勘定科目は支払手数料、業務委託料、支払顧問料のいずれかです。加えて、税務申告でも経費の控除の対象となります。
ただし、弁護士事務所が個人として経営している場合は、源泉徴収した上で弁護士に支払う必要があります。一方、法人の場合は源泉徴収が不要です。詳細は国税庁の公式サイトをご覧ください。
参考:No.2798 弁護士や税理士等に支払う報酬額・料金等|国税庁
弁護士相談料の相場は1時間いくらですか?
弁護士相談料の相場は、月に3時間を目安に2〜4万円程度となります。そのため、1時間にすると6,000〜1.3万円が目安です。
算出に利用した日本弁護士連合会の事例では、3時間の場合の平均額は4万3,017円です。その他、2万円未満は4.9%、3万円が33.5%、5万円は52.7%となっています。
参考・出典:弁護士報酬額について|日本弁護士連合会
まとめ
個人向け顧問弁護士の月額費用は2万〜4万円が一般的ですが、提供されるサービスの範囲によって変動することがあります。
顧問弁護士契約のメリットとして、法的トラブル発生時に迅速な対応が可能となりますが、利用しない月でも費用が発生するデメリットもあります。選ぶ際は、専門分野や対応の迅速性、提供内容の適切さを考慮することが重要です。
法律事務所Sでは、個人でのご相談も承っております。顧問弁護士をお探しの方は、月額費用の相談を含めてお気軽にご相談ください。