ビジネスのリスクヘッジ 「やれるだけやってみる」

先日、新規ビジネスについてご相談頂いた時の話です。

当該ビジネスについては、現状でも法的な問題はありませんでしたが、
各種ガイドライン等を調査すると、ビジネス開始に際して
準備した方が望ましい書面がありました。
要するに、リスクヘッジのためには
この書類も準備しておいた方がいいよ、ということです。

そこで、そのことをお伝えしたところ、
クライアントの表情が曇りました。
無理もありません、ただでさえ新規ビジネスの立ち上げで忙しい状態です。
さらに準備させようとするのか、
だから弁護士に相談すると面倒な話になる、くらいに
思われてしまったかもしれません。

そこで、このようなお話をさせて頂きました。
確かに、この点を100%準備しようとすると、かなり面倒です。
しかし、100%はやれないから一切やらない、というのは極端ではないですか。
少しでも、できるだけやっておいた方がリスクは減りますよ。
だから、少しでいいからやっておきましょう。
その上で、少しずつ改訂していけばいいのではないですか。

結果としてこの件は、今の段階で準備できる限度で準備をして、
私の方でもそのお手伝いをするという結論となりました。

自戒を込めてですが、
100%をやるのは無理という場面で、100%をやれないから、一切手を付けない、という方は
結構いらっしゃるように思います。
完璧主義的な考え方が邪魔をして、前に進めない状態です。
でも、少しでもいいから手を付ける、ゼロではなく10だけでもいいからやる、
その上で少しずつ、20にして、50にして、合格点に近づけていく、
そんな一つ一つの積み重ねが、ビジネスで前に進むコツであると思います。
いきなりホームランを狙うのではなく、まずはバットに当ててシングルヒットを狙っていけば、
いずれはホームランも打てるようになるのではないでしょうか。

2017-08-04 | 企業経営