高齢男性のA様は認知症になり施設に入所する必要が生じましたが、妻B様は病気で入院中であり、子のC様は遠方に居住していたため、A様に関する各種契約や日常的な金銭管理が困難になり、C様は法律事務所Sに相談しました。
担当弁護士は、A様について成年後見の申立を行い、その際、後見人候補者として担当弁護士自身を立てました。裁判所は担当弁護士を後見人とすることが相当と判断し、担当弁護士が後見人に就任することで、スムーズな施設入所・金銭管理を実現することができました。
法律事務所Sのホームページをご覧いただきありがとうございます。弁護士の長南と申します。
今回は、年金制度改正に伴い令和6年(2024年)10月から拡大される社会保険の適用についてご案内いたします。
1 はじめに
社会保険(厚生年金や健康保険など)の適用対象が段階的に拡大されており、令和6年10月からは従業員数が51~100人の企業で働くパート・アルバイト従業員の方々も対象となりました。
この改正は、使用者と労働者の双方に影響を及ぼす重要な内容です。本記事では、改正の背景と概要について解説します。
2 制度改正の背景
社会保険適用拡大は、短時間労働者の社会保障を強化し、すべての労働者が安心して働ける環境を整備することを目的としています。これは、働き方が多様化する現代において、雇用形態にかかわらず労働者の生活を支える重要な施策といえるでしょう。
3 改正された制度の概要
(1)対象となる企業
H3 改正された制度の概要
H4 改正された制度の概要
今回の改正では、従業員数が51人以上の企業が対象となりました。
ここで「従業員数が51人以上」とは、以下のように計算された厚生年金保険の被保険者数を指します
・フルタイムの従業員数
・週労働時間及び月労働日数がフルタイムの3/4以上の従業員数
この合計が51人以上である企業が該当します。
(2)対象となる従業員の要件
以下の全ての条件を満たす短時間労働者(パート・アルバイト従業員)が新たに適用対象となります。※なお、一部例外がありますので、詳細な適用条件については確認が必要です。
・週の所定労働時間が20~30時間未満
・所定内賃金が月額8万8000円以上
・2か月を超える雇用の見込みがある
・学生ではない
4 結語
今回の社会保険適用拡大は、労働者の生活安定と社会保障の充実を図る重要な施策です。
一方で、社会保険制度は複雑で、適用範囲や手続きについて不明点や不安を抱える企業や労働者の方も多くいらっしゃるかと思います。社会保険の適用拡大に関して、手続きや適用範囲の詳細、法的な対応方法に悩まれた場合には、ぜひ弁護士にご相談ください。