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弁護士の藤田 寛之です。
本日は、契約書のない長年の取引で代金が支払われなくなったものの、取引の実態を丁寧に立証し、訴訟で全面勝訴の判決を得て代金を回収した解決事例をご紹介いたします。
1相談前の状況・お悩み
A社は、当事務所の顧問先の会社です。A社は、取引先であるB社と長年にわたって取引を続けてきましたが、その取引について契約書は交わされていませんでした。長い付き合いの中で、口頭のやり取りやこれまでの取り扱いに基づいて、業務とその代金の支払いが続いてきた、という状態でした。
ところが、B社で経営陣の交代がありました。新しい経営陣は、それまでの取引の慣行(長年続いてきた取り扱い)を無視する形で、A社の業務に関する代金を支払わなくなりました。
A社としては、これまでどおり業務を行ってきたにもかかわらず代金が支払われないという状況であり、その回収について当事務所にご相談いただきました。
2争点
この事案で問題となったのは、「契約書がない取引について、代金を支払う約束(契約)があったと言えるか」という点です。
契約は、必ずしも書面がなければ成立しないものではありません。しかし、書面がないと、「どのような内容で合意していたのか」を後から証明することが難しくなります。B社は、まさにこの点を突いて、「契約書がないから払えない」と主張していました。これに対して、書面がなくても代金を支払う合意があったこと、そしてその内容を、どのように示していくかが争点でした。

3当事務所の対応(苦労した点・工夫した点)
当事務所では、まずA社の代理人としてB社との交渉に入りました。しかし、B社の回答は「書面がないから払えない」というだけで、話し合いによる解決は見込めませんでした。そこで、訴訟を提起することにしました。
訴訟で苦労したのは、契約書という「一番分かりやすい証拠」がない中で、どのように取引の内容を立証するかという点です。
そこで工夫したのは、長年の取引の実態そのものを丁寧に掘り起こすことでした。A社の担当者から、これまで取引がどのように行われてきたのか、代金はどのように決まり、どのように支払われてきたのか、取引を始めた当時にどのような説明があったのか、といった点を時間をかけて聴き取り、調査しました。そのうえで、「契約書がなかったとしても、実際にはこのような取り扱いが長年続いてきた」ということを、裁判所に筋道立てて丁寧に説明しました。
訴訟には1年ほどの期間がかかりましたが、こうした地道な調査と説明の積み重ねが、結果につながったと考えています。
4解決内容
裁判所は、A社の主張を認め、全面勝訴の判決を言い渡しました。判決に基づき、B社から代金が支払われ、A社は未払いとなっていた代金を回収することができました。
5同じお悩みの方へのメッセージ
長年取引を続けてきた相手との間では、信頼関係があるからこそ、契約書を交わさないまま取引が続いていることが少なくありません。そのような取引で、相手方の経営陣や担当者が交代し、突然「書面がないから払わない」と言われてしまうケースがあります。
しかし、契約書がないからといって、代金を請求できなくなるわけではありません。この事例のように、これまでの取引の実態や当時の経緯を丁寧に調べて整理し、裁判所に筋道立てて説明することで、支払いが認められることもあります。
契約書のない取引で代金を支払ってもらえずお困りの場合は、一度ご相談ください。あわせて、今後のトラブルを防ぐために、現在進行中の取引について契約書を整えておくこともご検討いただければと思います。
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参考リンク(公的機関・一次情報)
※解決の内容や期間は、個別の事情により異なります。